参院本会議で11日、自民党提出の参院定数を6増する「公職選挙法の一部を改正する法律案」の採決が行われ、自民、公明などの賛成多数で可決し、衆院に送付されました。
採決に先立ち、小西洋之議員が会派を代表し反対の立場で討論に立ちました。冒頭、「この度の豪雨災害の犠牲となられた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます」と述べました。その上で、災害や国会審議への政府の対応など安倍総理の行動に対し「人命救助、被災者救援よりも自らの総裁選挙、さらには、改憲を見据えた政治案件、しかも、賭博行為であるカジノ解禁を優先するような私利私欲の人物は、総理や国会議員以前に人間として失格であると言わざるを得ません。満身の怒りを持って弾劾するものであります」と厳しく指摘しました。
小西議員は、「本法案が、そのプロセスにおいても良識の府たる本院のあり方を否定する暴挙」だとして、「自民党は突如、専門委員会で全く言及すらもしたことがない制度案を改革協(改革協議会)に持ち出し、この間の積み重ねた議論を全否定するのみならず、各会派の協働による本院の営みを壊す、党利党略以外の何ものでもない」と指摘、さらに「野党からのあっせん要求にも関わらず、事実上何の努力もしなかった伊達議長の責任は極めて重い」と述べ、「選挙制度は民主主義の根幹であります。議長を輩出した第一会派が、党利党略の選挙制度を数の力で強行し、議長がそれを追認するのであれば、それは、我が国の民主主義そのものを否定する暴挙と言わざるを得えない」と断じました。
また内容についても、自民党の発議者が比例4増と特定枠の導入が合区4県であぶれてしまう自民党現職議員の救済を立法趣旨とすることをあからさまに答弁していると指摘、「選挙制度は国民のためのものであり、自民党のものではありません。党利党略による選挙制度の私物化は、民主主義の否定であり、断じて許されようがない」とさらに断じました。