立憲、国民、無所属、共産、自由、社民の野党5党1会派の国会対策委員長は26日午後、大島衆院議長と国会内で会談し、議長所感の趣旨に沿った議会運営を求める申し入れを行いました。申し入れには、入管法改正案の審議している衆院法務委員会の理事らも同席しました。
申し入れでは、今年の通常国会閉会後の7月21日、大島衆院議長から行政府と立法府に対し、深刻な自省と改善を求める異例の所感が発表されたにもかかわらず、政府と与党は「自省と改善」に取り組むどころか、今国会の重要広範議案である、いわゆる入管法改正案の審議において、法案自体の内容、法案審査に不可欠な資料、法案審査の手続きのそれぞれの面で、さらなる民主主義の根幹を揺るがす問題を生じさせていると指摘。「立法府の長である衆院議長による異例の所感がこのまま政府と与党によって無視されるようであれば、国会の権威は地に落ち、国民の国政への信頼は修復不可能になる」として、「現在の国会がこうした危機的状況にあることを強く認識していただき、本日夕刻に職権で定例日外の開催が決定されている法務委員会につき、法務委員長に対して中止するようご指示いただくとともに、今国会で強引に成立させようとするのではなく、十分な時間をとって慎重な審議が行われるようご高配をしていただきたい」と求めました。
申し入れ後に記者団の取材に応じた辻元清美国対委員長は、「法務委員会での入管法改正案の審議の在り方があまりにも乱暴であり、国会のルールを無視したものではないかということを、現場の法務委員にも同席してもらい、議長にもしっかりご認識していただきたいという趣旨の申し入れです」と説明。国会の定例日を無視した強硬な委員会の開催や、職権を濫用したさまざまな委員会の開催等についてご認識いただき、議長として采配を振るっていただき旨申し入れたと述べました。
これに対し大島議長は、「受け止めさせていただく」とする一方、「委員会の運営は委員会に委ねる。議長があれこれ指図するのは控えなければならないと考えていると、委員会でよく話し合い、運営していただきたい」と応じたことを明かしました。
この後、法務委員会が職権で開かれる予定であることには、「(委員会前に開催される)理事会の推移を見なければ分からない。今日どういう提案があるのか、理事会の行方を見て対応を決めたい。少なくとも今日の採決はあり得ないが、明日の採決を決めて委員会を開くのか、明日の採決は留保して委員会を開くのかがポイントになってくる。私たちはあくまでも充実した審議、慎重な審議を求めており、今日の採決はもとより明日の採決も認められないという立場だ。採決を決めて委員会となるとこちらも重大な決意をしなければならない」と述べました。