福山哲郎幹事長は21日、定例の記者会見を国会内で開き、(1)オムロン元社長の立石義雄さんのご逝去(2)安倍総理の緊急事態宣言から2週間(3)再度の閣議決定された補正予算案(4)PCR検査の拡大(5)家賃猶予の法整備――等について発言しました。
冒頭、立石義雄さんのご逝去について哀悼の意を表し、若い頃から暖かい指導を受け、温厚な人柄、場面場面での鋭い洞察力・判断力、いろいろな方々を包み込む包容力のある人格者であったと振り返りました。そして「(3月末に京都商工会議所会頭を退任し、)これから少しゆっくりされ、より身近にご指導いただけると思っていた矢先に、こういう状況になったことは痛恨の極み。本当に寂しく思う」と悼みました
安倍総理の緊急事態宣言から2週間が経過した今の状況について、「感染者がまだ増え続けている状況で予断を許さない。感染拡大(の防止)に向けて更なる国民の皆さんにご協力をお願いをしなければいけない状況」との認識を示しました。
そして5月6日に期限を迎える緊急事態宣言の延長か解除かの判断について「楽観的な観測をもとに判断するのではなく、感染状況をしっかり把握した上で、専門家の意見を聞きながらしていただきたい」と述べ、さらにいずれの判断の場合でも、休業要請を受けてる方や、休校で休んでいる人たちの次への準備があることから、政府に対し、事前に準備・検討し、国会で前回同様、具体的な根拠、理由付け、今後の方向性について説明することを求めました。
7日に閣議決定した予算案から、一人あたり一律10万円の給付を盛り込んで組み替え、20日に再決定された補正予算案について、全体に対する支援として一律10万円の給付を決めたことは「評価したい」と述べる一方で、所得が激減した方々への30万の支給は役割がまったく異なると話し、30万円の支給についても引き続き維持するよう求めました。
さらに自粛休業要請に対する補償について、自治体が独自に判断し交付金を活用する状況では差が生まれると指摘。緊急事態宣言が全国を対象にしていることからも、国が休業補償について一定のガイドラインを示した上で、それに見合う交付金を各自治体に配る必要性があると述べ、現在の1兆円では足りず、3倍から5倍に交付金を増額しなければならないと語りました。
また、東日本大震災の東京電力福島第一原発事故時に検討した補償の中間指針を示し、原発事故と今回の感染による自粛要請とは違いがあるとした上で、補償のスキームとして参考にしてもらいたいと述べました。
厚労省が15日に、PCR検査の体制強化のため、実施する機関として「地域外来・検査センター」を地域の医師会などの協力で設置することを認める考えを示したことを受け、「政府がようやく舵を切ったことについては評価をしたい」と述べる一方で、「もっと早くやらなかったのか、もうふた月も前から検査を拡大するべきだと国会の審議だけではなく、あらゆるところで主張してきた」と訴え、他の医療機関の財政補助も含め、医療崩壊を防ぐために、しっかりと増額をすべきだとして、野党として補正予算に対する考え方をまとめていると説明しました。
家賃の支払いを一定期間猶予するための法案については、政務調査会で野党各党の考え方をまとめ、協議していると説明。そのうえで本法案については、与野党一致して成立を図りたいと語りました。