政府・与野党は28日夕、新型コロナウイルス対策政府・与野党連絡協議会の第10回目の会合を国会内で開催。立憲民主党から逢坂誠二政務調査会長が出席しました。
会議の冒頭、政府から第2次補正予算案の概要説明があった後、各会派からの要望を行い、意見交換を行いました。共同会派「立国社」は、以下の要望を提出しました。
新型コロナウイルス対策等に関する要望事項
2020年5月28日
立憲民主党
国民民主党
社会保障を立て直す国民会議
社会民主党昨日示された令和2年度第2次補正予算案については、令和2年度第一次補正予算における野党の組み替え要求の内容が取り入れられていることから一定の評価をするものの、未だ不十分であることから、以下の点についてさらなる対応を求めるものである。
(1)10兆円の予備費については、その規模の大きさや財政民主主義の観点から、そのあり方を慎重に検討すること。
(2)持続化給付金をはじめとする各種事業の受託事業者の選定過程や事業実施体制・実施状況等について、説明責任を果たすこと。
(3)マスク着用による健康面への影響等について、国民に混乱をきたさないよう周知・広報するとともに、夏季のマスク着用でも健康影響の少ない新素材の開発・普及を進めること。
(4)PCR検査については今後も検査能力及び検査実施件数の拡大を図ること。また、PCR検査をはじめ、これまでの政府の対策のあり方を検証し、第2波に備えること。
(5)課税対象となるあらゆる業種の個人・団体について、分け隔てなく持続化給付金、税の減免、融資等の対象とすること。
(6)各種税や社会保険料等のさらなる減免を行うこと。
(7)地方創生臨時交付金については、その額を5兆円とするとともに、自由度を高くし、交付手続も簡易・迅速なものとすること。
(8)持続化給付金については、給付上限額の大幅増額を行うとともに、支給要件の緩和(現行50%以上の売り上げ減少率を30%以上にする等)を行うこと。
(9)中小企業等の返済の猶予や返済期間の延長、金利の減免などの条件緩和要望には誠実に対応することを金融機関に求める立法(モラトリアム法)について検討すること。
(10)新しい生活様式の導入に伴い、顧客減や収容人数減などで十分な収入が確保できない事業者に支援すること。
(11)経営環境が悪化している、歯科を含む医療機関を支えるための新たな給付金を創設すること。
(12)医療崩壊を防ぐためにも、次の流行期のインフルエンザワクチン接種については、希望する全ての人が無償で受けられるようにすること。
(13)認可外保育園について、登園自粛した保護者の保育料の軽減措置を講じること。
(14)移動の自粛により、公共交通機関の経営が極めて厳しい状況にあることに鑑み、需要回復に至るまでの支援策を講ずること。また、事業規模に関わらず、固定資産税や航空機燃料税、着陸料などの減免を行うこと。
(15)活動の縮小や停止を余儀なくされている文化芸術関係者や関連業種従事者への支援について、支援対象を拡大し、予算を大幅増額すること。
(16)特に収入が減少した個人に対して追加給付を行うための費用を計上すること。
(17)失業給付の上限額を遡って15000円程度に引き上げること。
(18)雇用調整助成金については、企業の規模を問わず、減収が著しい事業者については、助成率を10/10とすること。
(19)学校の再開に際して、新しい生活様式の導入に必要十分な教員や指導員などの人材の確保を行うと同時に、必要な備品の確保、施設・設備の改修支援を行い、学びの機会を保障すること。
(20)学生支援については、野党提出法案の趣旨を踏まえ、授業料の半額を免除すること。また、奨学金の返済減免についても検討すること。
(21)持続化給付金、雇用調整助成金、無利子無担保融資の手続について簡素で迅速なものとなっているかを検証し、専門家活用などにより早急に改善すること。
終了後、共同会派と共産の出席者が記者団の取材に応じました。逢坂政調会長は、今回の項目の中で1から5番目までが新たな点だと報告。特に1番目に挙げた「10兆円の予備費」について、会議ではそれぞの参加者から意見があり、会議の半分はこの話だったと説明がありました。
「10兆円の予備費」について逢坂政調会長は、「不測の事態に備えるために一定額の予備費は必要。東日本大震災のときも、5月の補正で8000億くらい予備費を積んでいる。そういった意味で頭から否定するものではないが、10兆円もの予備費、しかも財源は赤字国債」と語り、政府の独自判断で予算の使い道が決められることに難色を示しました。その上で、予算委員会での審議や政府・与野党連絡協議会を通じて使途を決めていくことが必要だと語りました。