立憲民主党は150日間の通常国会が閉会した17日、「#立憲オンライン大作戦 with 宇都宮けんじ」と題して東京都内のライブハウスから緊急生配信を行いました。番組は、前半は国会での議論の振り返りとともに、新型コロナウイルス感染症により政府の自粛要請など大きな影響を受けた音楽・演劇関係者とのトーク、後半は東京都知事選挙(18日告示、7月5日投開票)に立候補を予定している宇都宮けんじさん、東京都議会議員補欠選挙(26日告示、7月5日投開票)の候補予定者、斉藤りえさん(北区選挙区)、松木かりんさん(大田区選挙区)の決意表明という2部構成。枝野幸男代表、福山哲郎幹事長、長妻昭代表代行・選挙対策委員長、逢坂誠二政務調査会長、辻元清美幹事長代行が参加しました。

 都議補選で大田区から挑戦する予定の松木かりんさんは、「私はいま27歳で、生まれたときにはバブルが崩壊していて、日本がどことなく暗く、この先成長していくのかな、明日は今日よりも良くなるのかなといった不安の中で生きてきました。今回のコロナ禍で、この不安な気持ちが、私たち世代のものだけではなかったと強く感じました。子どもからお年寄りまで、本当にたくさんの人たちが、明日がどうなっているのか分からない、1カ月後、ましてや1年後がどうなっているのなんて分からない、考えられない。そんな声をたくさん聞いてきました。だからこそ、ここから変えていかなければいけない。コロナの中で感じたのは、やっぱり言わないと変わらないということ。私は、政治の役割は、暮らしを支え、新しいチャレンジを応援していくものだと考えています。しっかりと先のことを皆さんと一緒に明るく考えていける、東京から作っていきたいと思っています」と決意を語りました。

 聴覚障がいがあり、『筆談ホステス』の著書で知られる斉藤りえさん。今回北区選挙区から挑戦するにあたって、「私の政治家への原点は、障がいを持つ当事者が、当事者の声が政治には必要であるということ」だとあらためて強調。自身が2015年に北区議選挙で初当選したことで、北区議会では全国の自治体で初めて議場にパソコンが持ち込めるようになり、音声ソフトの使用も認められたこと、手話言語法の制定や環境面の整備に尽力した結果、さまざまなことが変わったことなどを紹介し、「何よりも変化があったのは、この社会に生きる人々の意識を少しでも変えられたことではないか」と意義を語りました。「聴覚障がいを持つ人も含めて、社会には多様な人が生きている。このことを認識してもらえるだけで、その瞬間から、私たちの社会における『普通』が変わっていく。マイノリティーと言われる立場の人が議員になることで政治や社会は確実に変わっていく。障がい者として、元ホステスとして、シングルマザーとして、社会の片隅で生きてきた私だからこそ、耳が聞こえなくても聴こえる声がある。当事者の声が政治に届くことで、社会は確実に変わっていく。誰一人取り残さない東京を、皆さんと一緒に作っていきたい」と決意を表明しました。

 18日の告示を前に、東京都知事選挙候補予定者の宇都宮けんじさんは、「都民一人ひとりの『生存権』がかかった選挙。命と暮らしを守る都政が求められている」と主張。コロナ災害に伴う国や東京都の自粛要請や休業要請で多くの人が仕事を失い、営業継続が困難になっていることに、「私は『反貧困ネットワーク』の活動の一環として、そういう方の相談支援活動に携わってきたが、リーマンショック後に年越し派遣村の取り組みをしたとき以上に被害は広く、深刻になっている。何としても、このコロナの中で、都民の命や暮らしを守る、生存権を守り切る体制を確立したい」と訴えました。

 「私は長い間被害者の救済、多重債務者の救済をやってきたが、社会のあり方がこのコロナ災害で問われているのではないか」と指摘。国民の命や暮らし、人権よりも経済的、経済効率性を優先する、自己責任が追求される社会から、社会的連帯が重視される社会、誰もが希望を持てるような社会に転換する必要があると述べ、今回の都知事選をその第一歩としたいと述べました。松本さん、斉藤さんの訴えに共鳴し、「お二人と一緒に、一人ひとりの都民の命や暮らしが大切にされる、そして都民の命を守り抜く、生存権を守り抜く都政を打ち立てていきたい」と力を込めました。

 枝野代表は最後に「全力を挙げて戦いたい」と表明。「ここ20年、30年、見得を切る政治が良い政治だという状況が続いてきたのではないかと思うが、政治は生活。地に足をつけた政治が必要であり、だからこそ宇都宮けんじさんが都知事にはふさわしいと私は確信する」と呼びかけました。