超党派議連「アイヌ政策を推進する議員の会」(会長・吉川貴盛衆院議員)が8日、国会内で総会を開催し、立憲民主党からは、同議連の世話人を務める荒井聰衆院議員と、逢坂誠二政務調査会長が出席しました。
総会では、役員人事が確認されたほか、アイヌを主題とした国内初のナショナルセンター『ウポポイ』(12日に北海道白老町にてオープン予定)に関して、内閣官房アイヌ総合政策室・刀禰(とね)俊哉室長からの説明と、それに対する質疑が行われました。
ウポポイは、存立の危機にあるアイヌ文化の復興・発展の拠点となるべくつくられた『民族共生象徴空間』で、「国立アイヌ民族博物館」「民族共生公園」「慰霊施設」の3つから構成されます。博物館では、アイヌの歴史・文化をアイヌの視点から展示。民族共生公園では、古式舞踊や音楽の公演、伝統的生業の学習、工芸の製作体験など、アイヌの文化、世界観、自然観、信仰などを幅広く伝えるためのさまざまなプログラムが提供されます。慰霊施設は、日本人の起源をめぐる研究のために発掘・収集されていた遺骨をアイヌの人々に返還するための集約・管理施設で、アイヌの人々による尊厳ある慰霊の実現を図ろうとするものです。
刀禰室長の説明につづき、北海道の中野祐介副知事は、「ウポポイのオープンを、コロナ禍の感染拡大を防ぎながらさまざまな活動を再開させる一つの象徴としていきたい」とあいさつし、運営にあたっては、3密を避け、手指の消毒を徹底するほか、生で歌う人はPCR検査を定期的に受けるなどの措置を行っていくことも紹介しました。
質疑応答の中で逢坂政調会長は、オープンまでの関係者の労に敬意を表したうえで、施設オープン後も、維持・管理のための十分な予算をつけていくことを求めました。
また、荒井聰衆院議員は、ウポポイに慰霊施設を作ったことは異例で、アイヌの人々が最も関心を寄せている点なので、同施設を大事にするべきだと言葉を強めました。
参加議員からは他にも、アイヌの人々が待ち望んでいた施設なので、開園記念式典にはアイヌ協会の人々がもっと参加できる形を模索するべきであること、議連としてはアイヌの権利促進のために今後も議論を重ねるべきであること、などの意見が出されました。