枝野幸男代表は6日、被爆75年目を迎える広島を訪問し、「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」(平和記念式典)に参列しました。米国による原爆投下時刻の午前8時15分には黙祷し、一日も早い核廃絶と世界恒久平和の実現を誓いました。
枝野代表は式典終了後、「世界の子どもの平和像」を大井赤亥広島2区総支部長とともに訪れ、献花しました。
広島平和記念式典の平和宣言で松井一實広島市長は、「『75年間は草木も生えぬ』と言われた広島は今、復興を遂げて、世界中から多くの人々が訪れる平和を象徴する都市になっている」と切り出し、新型コロナウイルスという人類に対する新たな脅威に立ち向かっている今、悲惨な過去の経験を反面教師にすることで乗り越えられるのではないかと提起。およそ100年前に流行したスペイン風邪は、第1次世界大戦中で敵対する国家間での「連帯」が叶(かな)わなかったため、数千万人の犠牲者を出し、世界中を恐怖に陥れ、さらにその後、国家主義の台頭もあって、第2次世界大戦へと突入し、原爆投下へとつながったと述べ、「私たち市民社会は、自国第一主義に拠(よ)ることなく、『連帯』して脅威に立ち向かわなければなりません」と力を込めました。
原爆投下の翌日、惨状を体験し、「自分のこと、あるいは自国のことばかり考えるから争いになるのです」という当時13歳であった男性の訴え、また昨年11月に被爆地を訪れたたローマ教皇と、国連難民高等弁務官として、難民対策に情熱を注がれた緒方貞子氏が発信した、人類の脅威に対しては、悲惨な過去を繰り返さないように「連帯」して立ち向かうべきであることを示唆する言葉に言及。「今の広島があるのは、私たちの先人が互いを思いやり、『連帯』して苦難に立ち向かった成果。これからの広島は、世界中の人々が核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けて『連帯』することを市民社会の総意にしていく責務があると考える」と表明しました。
その上で、日本政府に対し、核保有国と非核保有国の橋渡し役をしっかりと果たすためにも、核兵器禁止条約の締約国になり、唯一の戦争被爆国として、世界中の人々が被爆地ヒロシマの心に共感し『連帯』するよう訴えること、また、平均年齢が83歳を超えた被爆者を始め、心身に悪影響を及ぼす放射線により生活面でさまざまな苦しみを抱える多くの人々の苦悩に寄り添い、その支援策を充実するとともに、『黒い雨降雨地域』の拡大に向けた政治判断を強く求めました。